なぜ中学受験?親の視点主導は、子どもの成長の“機会損失”を招く
私は現在55歳ですが、私が学生の時は学校崩壊時代で、受験戦争時代でもありました。
武田鉄矢さん主演ドラマの「腐ったみかん」というセリフが話題になった時代です。
子供の頃は東京の世田谷区の住宅街に住んでいたので比較的「静かで教育環境が良い」とされている地域でした。
しかし学力アップなどの未来のためではなく、指定される公立中学が校内暴力や不良グループが多かったために、行かせたくないと考える親が中学受験に挑戦する例もありました。
都内でも他の区よりも地域的には暴力事件も少ない方でしたが、荒れている区では子供が中学受験を希望する以前に、荒れている公立中学から避難させたい親の希望で受験する子も多かった時代です。
中高一貫教育や大学の付属中であることが魅力で中学受験をする友達もいて、深夜まで「塾」に行っていました。
私の親も急に目覚めて受験をすすめてきましたが、私はやりたいことがあったので、受験をするつもりはなく友達を見守る側でした。
ただ単に親に勧められて受験する子が多かった時代、合格したいという友達の気迫は全く違い、子供心に合格する友達がわかりました。
中学受験をする年齢は、高校受験と違い友達すべてが受験勉強をしている訳ではないので、自らの希望と親のすすめで受験する気持ちを持ち続けるのは、強い意志が必要なのだろうと思うことと、親の説明で本当に理解しているのか?と疑問もあります。
公立高校から国立大学に合格した子達
私の同級生で、4人兄弟で塾にも行かず東大2名・早稲田大学1名・麻布獣医大学1名という家族がいました。
そして、その子供達も、全員塾に行かないで国立大学・早稲田大学なのだそうです。
我家の息子も高校は公立ですが、塾に行かずノーベル賞多数の国立大学院卒です。
その息子のお嫁さんも、塾には行かず国立大学卒です。
子供の力は、どうしても成し遂げたいことがあった場合、頑張れるものなのだと思うのです。
本人が目標にしたことへの達成感を得られていれば、心が強くなっているのではないでしょうか。
私立中学に合格した子達は、超難関校でない場合、ある意味高校受験・大学受験を推薦で進むので、利点がたくさんありますが、挑戦することも少なくこじんまりとしてしまう場合もあると私は感じています。
どんな環境でも、自分が目標にしたことを「達成する力」を身につけていれば、私立中学にいかなくても学力はつくものだと思うのです。
でも、子ども自ら目標を持って中学受験に挑戦をしたいのであれば、親はできる応援はしてあげたいです。
中学受験のメリット・デメリットを考えて、賛成でも反対でもありません。
ただ、中学受験をしなければ、難関大学には行かれないような親の説得だけは避けた方がいいと思います。
中学受験をする理由
中学受験をする理由は、親がとても教育熱心で私立に入れたがっているとか、レベルが高いから・大学の付属中で有利だからとか、理由は人によっても千差万別で様々な違いがありますが、家族が納得していたとしても、当の本人が納得していなければ何の意味もありません。
親に言われたからという理由だけでは、勉強に対するモチベーションが低くなり、たとえ合格して私立中学に進んでも、何年か経ってからこんなはずではなかったということになり、受験に対して親の選択のせいで道を間違えたという「逃げ」の心を生まないために、受験中学校を選ぶ際は、本人と家族全員でよく話し合ってから決めるようにすることが大切です。
塾通いが必須?
中学受験では「塾通いが必須!」というイメージがありますが、逆の言い方をすれば、「塾に通っておけば、とりあえずは大丈夫」と思っている保護者がとても危険だと思います。
中学受験の成功のカギを握っているのが「精神力」と「家庭学習」…生まれてから受験までの「生活習慣」が大きく影響すのではないでしょうか?
こどもの心理は?
「中学受験なしでも、子どもの“稼ぐ力”は身に付けられる。
むしろ受験する年齢は遅いほうがよい」というのが、『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶応大学に現役合格した話』がベストセラーになった青藍義塾塾長・坪田信貴氏の見解です。
「親主導の勉強の進め方は、時に子どもの成長の“機会損失”を招きかねません。
低年齢での受験ほど、『親がレールを敷く』ことになります。
皮肉なことに、親がレールを敷けば敷くほど、子どもの自主性は育ちにくくなる。
心理学的に言うと、親から言われて勉強をするのは『外的動機』(外からの影響で生まれる動機)のなせるわざです。
すると『内的動機』(自発的な動機)は育ちにくくなります」
大学受験に向け、自主的に偏差値を上げていくことができる生徒の母親には、あまり子どもに与えすぎない傾向が見られるという。
「与えすぎない姿勢」が、結果的に自主性を育て、将来的には稼ぐ力の獲得につながるでは?
「自宅でコツコツ継続する力」をつける習慣をつけよう!